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企業は株主のもの?
 「企業は株主のもの」だ。
 「企業は株主のもの」ではない。

 ここ数年、日本の株式資本主義も様変わりし、企業のM&Aが活発に行われるようになりました。
昨今のIT企業や投資ファンドの敵対的買収は、まさに株主が株主のために「金を儲ける」ために仕掛け、メディアは、「企業は株主のもの」と報道しました。

 私の場合は、規模が小さいですが、私も金儲けのために、バーの株主になって、誰かバーテンダーを雇用して、経営しようと考えておりました。
 先日、会社の同僚のよくいくバーに遊びに行きました。そこのオーナーに私の構想を話したところ、丁度店の対面の地下のバーが雇われ店長で一人で運営しているとのことで、早速、ご紹介いただきました。
 その店長は、銀座周辺のバーをバーテンダーとして、10数年働いた経験のある方で話も、接客も風格が漂っていました。
 「私は、オーナーから店の切り盛りは全て一任されています。バーテンダーは、いつか自分の店を持ちたいと思っている人がほとんどで、自分のやりたいようにやれるのは、いい経験になると思うし魅力的だと思います。特に、新規出店の店だとなおさら魅力的だと思います。」
 とのことでした。構想自体は悪くないとのことでしたが、
 「後は、オーナー次第ですね。人間どうしても、任せると口では言いながら、自分のお金を投資しているので、色々と意見を言いたがります。その口をふさぐためには、店長がそれに応える利益を出すことが一番の防御策ですが、バーの特色を出すには、時にお金が必要なときもあり、オーナーも店の雰囲気にはどうしても口出ししてしまうものです。また、オーナーが飲食店素人だったりすると、そのとき、意見が食い違ったりしますので。」

 何か新しいものをはじめるとき、自分の信念を誰かに打ち明けるとき、起業するとき・・・関係者全員の強い意思統一が大事なのだと思います。その強い意思統一がなければ、何をやっても成功しないのでしょう。本気で何かを考えていれば意見が食い違うのは当たり前です。ただ、目標までの道順が違うだけなのです。そのお互いの意見には、優劣も可否もありません。どちらも可なのだと思います。逆を言えば、それがないから、金儲けのためだけに、株を買占められたり、経営者が交代したり、目標が定まっていないから、人材が安定せず、お客様も喜びを味わえないのではないでしょうか。

 「企業は株主のもの」で間違いないと思います。
ただ、強い意志の合致があるからこそ、株主は、その会社に投資し、同じ意思の持ち主が経営者になり、その経営者と共に目標に向かう人材が集まるのではないでしょうか。そんな思いから、「企業は株主のものではない。」も正しいのだと思います。
 
 バーの顔は、株主ではなく、そこでサービスを提供しているバーテンダーなのです。バーテンダーとして働いたことのない自分が、バーテンダーと強い意志を統一できるのでしょうか。最近の悩みです。口ではできるかと思います。でも、いざ店を運営しはじめて、色々な壁にぶちあったときでも強い意志を共有し続けられるのでしょうか。
 株主だけの側面でなく、自分でバーを運営することでバーテンダーと意思が共有でき、その意思を共にするバーテンダーと共に、お客様と我々のバーで喜びを分かち合い、ほんのひとときのやすらぎがある、そんなバーにできたらと思います。
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[2006/11/07 16:52 ] | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
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