「じゃあ警察行こう。」

　近隣も三人で歩いて探しましたが、
　歩いてそうそう見つかるものでもなく、
　そんなところで、巡回中のお回りさんを発見。

　事情を話すと、
　
　「そんなことも言われても探しようがないなぁ・・」

　警察のその言葉にぶち切れ！

　「困ってるから、相談してるんでしょうが！」

　そこで、若い熱い警官が、

　「まずは、そのカラオケ屋に行きましょう。」

　入店した時間や、
　トイレに行くと言った時間、
　居なくなった女性の特徴
　我々三人の事情聴取と、身分証明書まで提示しました。

　そして、入り口の防犯カメラを再生することに。　
　とりあえず入店した時間を再生して、
　我々が入った時間といなくなった女性をカメラにて確認。

　入ってから30分、席を立ってからの30分の1時間分を再生しましたが、
　彼女の映像は写っていない。

　従業員に聞いても、出入りできるのは、入り口の一箇所のみ。

　ご両親を怖がらせたくなかったが、ココまで来るとしようがなく
　彼女は、実家で暮らしているため、
　彼女の携帯電話のメモリーから実家に電話。
　やはり、帰っていないとの事。

　ビル中を彼女の名前を叫びながら探し、
　他のフロアの店長にも見つかり次第連絡してください。
　とお願いをする。

　ビデオは何度見直して彼女らしき映像はない。

　かれこれ、居なくなってから3時間近く経っただろうか
　時間は午前1時半。
　
　その時、彼女の携帯電話が鳴る。

　画面には、実家と思われる表示が、

　警察官がその電話に出ると、たった今帰ってきたとの電話らしい。

　電話を彼女に代わり、私が電話にでると、

　「どうした？大丈夫か？」
　「はい、大丈夫です。ご迷惑おかけして、すいません。」
　「どうしたんだよ？」
　「ちょっと酔っ払ってしまいました。」

　3人とも彼女が無事だったとのことで安堵し、
　どっと疲れがあふれる。

　警察間と従業員の方に、お礼を申し上げ、
　お礼代わりと言っては何だが、飲み物を注文し、
　部屋を一時お借りしちょっと休憩。

　「しかし、そんな飲んでないよな？」
　「そうですね。それに一日中飲んでも酔っ払わない人だし。」
　「でも、さっき帰ったって、電車ないし、財布もないし・・・」
　「しかも、居なくなってから3時間も経つし・・・」
　「何かあったのか・・・」

　「心配だから、もう1回お母さんに電話してみよう。」
　と、もう一人の女性が彼女の実家に電話。

　母親いわく
　最寄の駅からタクシーで帰ってきたらしい
　酔っ払ったのでと、部屋に入って寝ているとの事。

　こんな時間に、電車はないし、
　電車にのる財布もなければ、定期も財布の中。
　しかも、居なくなってから3時間も経過している。

　何かあったのかなぁ・・・

　女性の持ち物なので、もう一人の女性が荷物を預かり
　三人とも帰路へ。

　次の日携帯電話に、
　"昨日はいろいろご迷惑おかけしてすいませんでした。"
　と、だけ連絡がはいるも。

　なんとなく、深く聞くこともできず。

　何となく、心にわだかまりがのこる出来事でした。

　特別なおちを期待されていた方すいません。